18 ベジブロス
野菜の端っこにはうまみや香りが宿るという話をしました。端っこ野菜を活用したベジブロスの作り方を、あらためてご紹介しましょう。
これから挙げるような野菜がひとつかみ分でもあれば、早速作ってみましょう。毎回のお料理で出る量が少ない場合は、ある程度たまってくるまで冷凍庫にコレクションしておきます。または天日で干し野菜にしてとっておくのもいいです。
さて、端っこ野菜がある程度たまってきたら、しっかりかぶるくらいの量の水とともに鍋に入れて火にかけ、沸騰したらコトコトとやさしく煮え立つ程度の火加減で、20分ほど煮出します。アクは気になるようならすくいとります。目の細かいザルでこして、出来上がりです。
次のようなお野菜は一例ですが、香りのよいブロスに適したものです。
あるもので組み合わせてブロスに使ってみましょう。
たまねぎの薄皮や芯・・・土のついた根元や傷んだ部分は切り落とします。
人参の皮や軸・・・土がついた部分はトリミングして。
セロリの筋・皮・葉っぱ・芯・・・葉っぱは風味が強いので、使う量は調整して。アジアン・洋風料理に。
じゃがいもの皮・・・青くなっていないものなら、よく洗ってむいた皮からはよいだしが出ます。
ピーマンのヘタや種
トマトのヘタまわりや皮
バジルやパセリの茎・・・アジアンや洋風のだしにしたいときに
白菜やキャベツの外葉や芯
ネギの薄皮
にんにくの芯
きのこの石づき(おがくずの部分は削ぎ落として)
さて、おいしいだしができたかどうか、チェックする方法です。味見用のお椀に、塩ひとつまみとだしを合わせて飲んでみます。それだけでおいしいおすまし、またはコンソメスープだと思えるようだったら、ばっちりです。
このベジブロスを、スープをはじめ、だしが必要ないろんな場面で活用させます。
先ほど触れた「一物全体」という言葉。野菜も私たちの体と同じように、切り離せないまるごとひとつのいのちだから、まるごとのパワーを体にいただきたい、という考えです。豚の皮以外はすべて料理する、という沖縄料理の考えはまさに一物全体のアートですね。そのまま食べることをしなくても、むいた皮をこうしてだしに使うことで一物全体になれるので、味もバランスがとれて、嬉しい再会というわけです。